通訳翻訳研究領域 山田ゼミ
教員の視点

翻訳は、異なるものとの架け橋。
翻訳で世界を変える
翻訳で世界を変える
山田 優 Masaru Yamada
「同じ釜の飯を食う」をどう訳すか?

私の専門は翻訳の訳出プロセスやテクノロジーで、近年はAIを活用した翻訳に関心をもっています。例えば、AIにアイドルの書いたブログを学習させれば、もとのニュアンスを崩すことなく「アイドル風」に翻訳することができるのか…といったことに取り組んでいます。
翻訳の研究においては、「翻訳の分析」、つまり、言語学、社会学、歴史学(時代背景)といった多角的な観点から原文と訳文を比較・分析する手法が主流です。一例を挙げると、「同じ釜の飯を食う」という日本語の表現が英語にどう訳されているか、といったことがテーマになり得ます(そのまま「rice(米)」を使った訳文では、食文化の異なる国や地域の人々にはニュアンスが伝わりませんよね)。
一方、ここ数年のゼミ生の研究テーマを見ると、ゲーム、映像、映画のタイトル、絵本の表紙、化粧品の広告といったものにまで対象が広がっています。従来の「翻訳」の枠にとらわれず、翻訳を異文化コミュニケーションの切り口の一つとして捉える学生の視点からは、私自身も多くのことを学んでいます。
翻訳の研究においては、「翻訳の分析」、つまり、言語学、社会学、歴史学(時代背景)といった多角的な観点から原文と訳文を比較・分析する手法が主流です。一例を挙げると、「同じ釜の飯を食う」という日本語の表現が英語にどう訳されているか、といったことがテーマになり得ます(そのまま「rice(米)」を使った訳文では、食文化の異なる国や地域の人々にはニュアンスが伝わりませんよね)。
一方、ここ数年のゼミ生の研究テーマを見ると、ゲーム、映像、映画のタイトル、絵本の表紙、化粧品の広告といったものにまで対象が広がっています。従来の「翻訳」の枠にとらわれず、翻訳を異文化コミュニケーションの切り口の一つとして捉える学生の視点からは、私自身も多くのことを学んでいます。
翻訳の視点を通して、他者との共通性を見つけ出す

ゼミ生には、翻訳という視点を通して「他者とのギリギリの共通性」を見つけ出してほしいと思っています。翻訳とは、他者との共通点を見つけ、結びつけていく行いです。「同じ釜の飯を食う」をどう表現すれば伝わるかをあれこれ考えて、「キャンプで一緒にチキンヌードルを食う」と訳したとします。どうでしょう、感覚的にわかり合える部分があるような気がしませんか。
昨今は、他者との「違い」が強調され、世の中が分断される傾向にあります。そうしたなか、違うもの同士の共通性を見いだし結びつけるという視点は、とても大事になると思うのです。私の人生における目標は、「翻訳で世界を変える」です。ぜひ一緒に、世界をつなぎ直していきましょう。
昨今は、他者との「違い」が強調され、世の中が分断される傾向にあります。そうしたなか、違うもの同士の共通性を見いだし結びつけるという視点は、とても大事になると思うのです。私の人生における目標は、「翻訳で世界を変える」です。ぜひ一緒に、世界をつなぎ直していきましょう。
学生の視点

4年間を通して、異なる価値観を
いかに理解し、伝えるかを学ぶ
いかに理解し、伝えるかを学ぶ
廣谷 優奈 Yuna Hirotani
神奈川県立川和高等学校出身
神奈川県立川和高等学校出身
人間関係を表す言葉はどう翻訳されるか?

私は、「映像翻訳における人間関係語の変容」をテーマに研究をしています。日本語には、知り合い、仲間、友だちなど、人と人の関係性を表現する言葉がたくさんあります。こうした人間関係語が映像においてどのように翻訳されるのかについて分析しています。きっかけは、海外の映画で登場人物が「bro」や「man」といった呼称で親しげに会話しているにも関わらず、日本語字幕では「お前」「君」といったやや距離を感じる表現に訳されていたことでした。逆に、日本語の映像が英語に訳される際に、「知り合い」も「仲間」も「friend」とされていたことにも違和感をもちました。
研究では、15作品の映画・ドラマを対象に、字幕翻訳者がどのように人間関係語を置き換えているのかを、社会・文化的背景、ジェンダー視点など、さまざまな角度から分析しています。実際にやってみると、人物の表情やジェスチャー、間など非言語的要素を含めてとらえる必要があり、分析にはとても時間がかかりました。また、「何をもって親密とするか」といった客観的な評価基準の設定が難しく、悩むことも多々ありました。そんなときに山田先生に相談すると、思わぬ視点やアドバイスをくださり、ありがたかったです。
研究では、15作品の映画・ドラマを対象に、字幕翻訳者がどのように人間関係語を置き換えているのかを、社会・文化的背景、ジェンダー視点など、さまざまな角度から分析しています。実際にやってみると、人物の表情やジェスチャー、間など非言語的要素を含めてとらえる必要があり、分析にはとても時間がかかりました。また、「何をもって親密とするか」といった客観的な評価基準の設定が難しく、悩むことも多々ありました。そんなときに山田先生に相談すると、思わぬ視点やアドバイスをくださり、ありがたかったです。
物事を複数の面から捉え、掘り下げる
ゼミでの活動や卒業研究を通して、一つの物事を多角的に捉える視点が身についたと感じます。例えば、あるセリフが字幕上では省略されていた場合、そこにどういう意味や理由があるのかを考える必要があります。字数制限だけでなく、文化的な背景や「あえて言葉にしない」という字幕制作者の意図があるかもしれません。先生やゼミ生からのフィードバックで「そんな視点もあったか」と気づかされることも多々ありました。また、他のゼミ生の研究発表から学ぶことも多く、広告や音楽など幅広いジャンルのテーマに触れることで、視野が広がりました。4年間の学びを通して得た「異なる価値観をいかに理解し、伝えるか」という姿勢は、社会に出てからも役立つことを確信しています。