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カリキュラム・4年間の流れ

中田ゼミ


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教員の視点


英語学習の常識を疑え!
第二言語習得研究の観点から俗説を検証する。
中田 達也 Tatsuya Nakata

「専門演習」のテーマは第二言語習得と英語教育法

CICでは1年次に必修科目を幅広く学んだ後、2年次に自分の関心がある領域を徐々に絞り、3年次から始まる「専門演習」で自身の専門性を積み上げ、卒業研究へとつなげていきます。毎週の授業では英語教育などに関する論文や教科書を学生が持ち回りで読み込んで発表・議論します。少人数で意見が言いやすい環境ですし、3・4年生や留学生が混在しているため、異なる視点の意見が出ることが少なくありません。
私の「専門演習」のテーマは、第二言語習得と英語教育法です。外国語を習得するプロセスを解明し、どのように学ぶべきか、どのように教えるべきか、研究を続けています。ゼミ生の中には英語の教員免許取得を目指す人が毎年一定数いますが、幅広く言語学習に興味を持つ人もおり、学生が関心を持つ内容は多種多様です。

間違いが多い英語学習の定説

私自身は第二言語習得の中でも語彙習得や定型表現を研究テーマとしています。英語学習法には根拠が乏しいものが多く流布されています。例えば、1度に学習する単語の数は少ない方が記憶に定着しやすいと一般的には考えられています。しかし、研究ではそれとは正反対の結果が得られています。また、小学生の英語学習については「早い時期に始めるほどいい」と思われがちですが、実は4年生で始めるより6年生で始めた方が習得が早いという研究結果もあります。こうした「定説」と異なる結果が出る点が、この研究分野の面白さでしょう。ですから学生には世の中の常識を疑い、自分自身の手で研究を深めてもらいたいと伝えています。この「専門演習」で学んだ内容は英語教員ならそのまま活用できますし、教員以外の道へ進む人にも論文読解力や批判的思考力・判断力が身につくはずです。

学生の視点

実は間違いだった英語学習法の定説。
ステレオタイプ思考の問題点を実感。
近久 祐大 Yudai Chikahisa
広島県 AICJ高等学校出身

少人数の発言しやすい環境で発信力が向上

英語教育に力を入れている中高一貫校で早い時期から海外留学や英語を使ったボランティア活動を体験。異文化理解の難しさや異文化コミュニケーションの重要性を感じ、より深く学びたいとCICへの進学を決めました。入学してみると語学力も異文化理解力もハイレベルな学生が多く、難民問題のような難しいテーマでも積極的に意見を発表し、議論を交わしていました。3年次に「専門演習」を履修し始めた頃は私自身が先輩方のように質問や議論ができず、「どうしてこんなに話せるんだろう?」と焦りを覚えたことも。しかし、授業が進むにつれ知識が増え、議論にも慣れて徐々に発言できるようになっていきました。少人数のアットホームな環境や、間違った発言をしても否定せずに受け止めてくださる先生や仲間のおかげで、発信力が向上したと感じています。

米国留学での実体験が卒業研究のテーマに

卒業研究のテーマは、「英語語彙学習におけるペア学習の有効性の検証」です。語彙学習はともすれば単調で退屈な作業と思われがちですが、ペアで学習すればモチベーションが上がり、効果が出やすいとされています。私自身も米国オースティン・ピー州立大学に長期留学した際、現地の大学生と英語/日本語を相互に教え合う機会があり、楽しい会話ベースで語彙が増える、エピソード記憶により語彙が定着するなどの実体験がありました。先生からは先行研究の紹介や研究への応用方法、論文のまとめ方など、いつも理路整然としたご指導があり、紹介してくださった英語学習法をどんどん自分の研究の中に取り込んでいるところです。英語学習の定説とされていることが実は間違いであると根拠を示しつつ教えられ、常識を覆されたことが何度もあり、ステレオタイプな思考はよくないと改めて実感しています。

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