「草の根で平和を創る人びと」に参加
現場の声を聞き、多角的に検証することで
解決すべき課題が浮き彫りになりました。
解決すべき課題が浮き彫りになりました。
PROFILE 神馬 衣夏 Yuina Jinba 1年 東京都 立教女学院高等学校出身 |
どんな国内フィールドスタディに参加しましたか?
関東大震災時の朝鮮人虐殺に関するフィールドスタディに参加しました。説明会で先生がおっしゃった「国内の問題と海外の問題を別々の事象として捉えるのではなく、つながりを意識して平和構築を学ぶことが大切」という言葉が非常に印象的で、「海外に目を向ける前にまず国内の問題についてしっかり知る必要がある」「どうすれば文化が異なる者同士が相互理解できるのか、考えることで将来に生かしたい」と思い、参加しました。
参加前に、どんな対策や準備をしましたか?
朝鮮人虐殺については高校時代に日本史の授業で学んだにもかかわらず、すっかり忘れており、高校の教科書やノートを読み返しました。また、朝鮮人虐殺について書かれたノンフィクションを読み、ようやくこの事件の重みを実感しました。本を読む前は震災によるパニックが虐殺につながったと思っていましたが、被害者の酷い殺され方を知るにつけ、「実はパニックがきっかけではなく、震災がなくても虐殺は起きたのではないか」と考えるようになりました。
プログラムではどんな学びがありましたか?
現場を案内してくださった在日朝鮮人の方に前述の疑問を伝えたところ、「国家は危機を利用する。危機のときこそ、マイノリティとマジョリティの差が露になる」という言葉が返ってきました。現在もマイノリティの人々は常に恐怖心を抱きながら生活されており、私たちはそのような苦しみのない社会をつくっていかなければなりません。また、東京都慰霊堂と東京都復興記念館を訪れたところ、虐殺どころか「日本を朝鮮人から守った」という説明がされており、改めて多角的な視点を把握・検証することが重要だと実感。現場訪問後のディスカッションでは「根本的な差別問題を解決するには、人権教育が必要」「ただし、政府が虐殺の事実を認めておらず、教育に組み込むことが難しい」などの意見が出て、「この事件はまだ終わっていない、今も続いている問題なのだ」と悟りました。