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異文化コミュニケーション研究科

修了生インタビュー


少人数指導の環境で過ごした2年間。苦労した経験を自信に変え、現在の仕事の礎に。

合同出版株式会社
中川理香子さん
2022年3月 前期課程修了
私は学部も異文化でしたが、自分が日常生活でもやもや感じていたことがいわゆるジェンダーの問題だったり、自分が普段飲んでいるコーヒーや着ている衣服が世界の問題につながっていたり、自分の生活を見る視点がたくさん増えていくことが楽しいという実感がありました。就活と卒論を並行して進めるうちに、「卒論ではようやく自分の興味が見え始めたけど、問題の概要が掴めたくらいで終わってしまうな」と思い、一度納得するまで研究してみようと進学を決めました。

研究科では、安い衣服の大量生産・大量消費が、途上国の工場労働者にどういった影響を及ぼしているかについて研究しました。2013年に縫製工場の崩落事故が起こったバングラデシュに焦点を当てていましたが、文献調査を進めていくうちに、メディアが切り取る現地の工場労働者がかなり一面化されているのではないかと疑問を感じるようになり、修士論文ではメディア分析に舵を切りました。

2年間、一つのテーマに向き合ったことはとても苦しいことでもありましたが、研究を無事終えられたことは大きな自信になりました。振り返れば、自分が興味を持っている分野の教授を少人数で独占できることは院生ならではの贅沢だったと思います。異文化コミュニケーション研究科は扱う分野も幅広く、専攻が違う同級生と話していると新しい発見があり、自分の関心も広がります。お互い励まし合いながら2年間を過ごした同期は卒業後も大切な友人になりました。

現在は書籍編集の仕事をしています。私は国際協力を専攻していましたが、当初、専門的な論考を読むのにとても時間がかかり、苦労していました。そんな時、ある講演会でいただいた資料に読みやすそうなタイトルの本を見つけ、卒論で大変お世話になりました。その本を出していたのが、今勤めている出版社です。自分自身が文献の理解にとても苦労したので、その時の苦しみが、分かりやすく伝えるにはどうしたらいいか、初学者ならどこでつまずくかな?と考えるモチベーションにつながっています。

翻訳者として活かされる異文化での研究と実践的な学び

トランスパーフェクト・ジャパン合同会社
橋本 理沙さん
2018年3月 前期課程修了
私は、学部で卒業研究テーマとした字幕翻訳の研究を続けたいという思いがありました。異文化コミュニケーション研究科に進学した理由は、通訳・翻訳をコミュニケーションとして捉え、多様な観点から学べ、研究を進めながら実践的な授業を受けられる通訳者・翻訳者養成プログラムにも魅力を感じたためです。

在学中は、イギリスBBC制作のTVドラマに登場する「インパクトキャプション」と呼ばれる字幕(従来のセリフを翻訳した字幕とは別に画面に表示される字幕)の英日翻訳と通常の字幕の比較分析を通して、翻訳の特徴などを探る研究をしました。

現在の勤務先では、主にウェブサイトに掲載される文章の翻訳や校正のほか、字幕翻訳のプロジェクトにも関わっています。自分が提出した翻訳に関して根拠や理由を説明したり、プロジェクトの改善策の提案を求められたりする時には、研究科で自分や他の学生の翻訳を客観的に分析する方法を実際の議論を通して学んだ経験が活かされています。また、授業で得た業界の仕組みや、日本と世界における翻訳者の養成制度の違いなどに関する知識は、海外オフィスで働く社員やフリーランスの翻訳者とやり取りをする際にも役に立っています。

この研究科には、様々な分野を専門として研究されている先生方がいるので、興味のあるテーマが研究できると思います。ぜひ充実した2年間を過ごしてください。

私の夢を叶えてくれた異文化での日本語教育研究

Fundacja Krzewienia Kultury Japońskiej SAKURA
益本 佳奈さん
2020年9月 前期課程修了
私は異文化コミュニケーション学部の学生時代に研究したい分野があったのですが、卒業論文執筆に要する時間を考え、その時は断念しました。しかし、研究への気持ちを諦めきれず、この研究科への進学を決意しました。

今はポーランドの日本語学校で、高校生の頃からの夢だった日本語教師として、やりがいを持って働いています。大学生の頃に海外で日本語教師になる目標ができ、スロヴェニアやチェコ共和国への留学を機に興味を持ったスラブ語圏のポーランドの学校を見つけ応募しました。

研究科では、池田先生のもとで「ディスレクシア(読み書き障害)」という学習障害を抱える日本語学習者が、楽しく効果的に漢字を学ぶための教材作成の研究をしました。研究を通じて、単に教師が一方的に話す「講義形式」の授業では、学習者が本当に「使える」日本語は身につかないと学び、現在の職場では学習者のアウトプットを多く取り入れています。その結果、学んだ通り、学習者の理解度を確認できたり、学習者のやる気の向上につながっていると思います。

この研究科には、様々な専門分野があり、クラスも少人数ですので、先生方からの手厚い指導のもとで、他の学生の意見から学ぶこともできます。先生方や仲間たちと一緒に、ぜひ充実した2年間を送ってください。

異文化での経験が自分の可能性を広げてくれた

厚木市役所(神奈川県)
阿部 皓さん
2015年3月 前期課程修了
私は異文化コミュニケーション学部在学中、公立中高の英語教員を志望していましたが、本当に自分が教員になりたいのか疑問に思っていることに気づきました。そのため、英語教育や教員についてさらに深く調査研究し、自らの疑問に対する答えを見つけようと、異文化コミュニケーション研究科に進学することを決めました。

研究科での私の主な研究内容は、学習指導要領の改定に伴って中学校の英語教科書の内容がどのように変わったか、主に教科書内のアクティビティがどのように変化してきたかについての分析です。教科書図書館に通い歴代の英語教科書を1冊1冊読み込みました。その研究の傍らで、授業によって関心を持った教育現場の現状や教員の働き方、学校のICT環境などの調査をしていくうちに、教員になるよりも、教員をサポートしたり、教員とともにより良い教育環境を創り出したりする立場に身を置きたいと考えるようになりました。最終的に卒業後の進路は、研究対象が中学校の教科書だったこともあり、公立中学校と密接な関わりを持つ教育委員会がある市役所を就職先に選び、公務員試験を受験しました。

市役所入庁後6年間、友好都市交流やオリンピック・パラリンピックを所管する部署で、国内外の友好都市への視察や訪問客の受入などを担当した後、現在は市内の公民館に異動し、住民票の写しなどの発行や地域の自治会との連携、施設の管理などを担当しています。市役所の業務の性質上なかなか自身の研究内容に関わる仕事ができないというのが正直なところですが、いずれの部署でも学校と連携するために教員と関わることが多くあります。研究科在学中に抱いた教員のサポートをしたい、より良い教育環境を創り出したいという気持ちを思い出し、学校との連携事業では配慮や感謝を欠くことのないよう心がけています。

今の仕事に進もうと思えたきっかけは、この研究科で様々な専門分野を持つ先生方からたくさんのことを学ぶことができたからということに他なりません。これから受験を考えている皆さんも、ぜひ異文化コミュニケーション研究科で自身の興味あるテーマを研究し、納得できる進路を見つけてください。

教職の現場で活きる異文化での学び

成城中学校・成城高等学校
吉田 泰之さん
2016年3月 前期課程修了
私は、生徒の人生に関わることができる教師という職業に魅力を感じ、学部時代から教職を志望していましたが、学部4年次の教育実習の際に自身の専門性の欠如を痛感しました。明確な根拠を持って指導できるようになりたいと思い、大学院進学を考えるようになりました。言語教育に関する授業を受けることができることから、異文化コミュニケーション研究科を志望しました。

研究科では、特に、鳥飼慎一郎先生の下でTBLT(Task-Based Language Teaching)をはじめとする言語指導法、CEFRやCEFR-J(日本版CEFR)の分析や、ドイツと日本の英語教科書の比較研究などを行いました。修士論文では、外国語の語彙習得研究に基づいて、日本の高校英語検定教科書で使用されている語彙の研究や語彙の頻度分析を、独自のコーパス(データベース)を構築して行いました。

現在は、成城中学校・成城高等学校で専任の英語科教諭として日々授業や部活動等の指導、校務を行なっています。大学院で学習・研究した内容だけでなく、第二言語習得や言語政策、コミュニケーション論や言語学など研究科で学んだ内容は、現場での指導の源泉となっています。勿論、理論通りに全てがうまくいくというわけではありませんし、理論の実践は容易にはいかないこともありますが、大学院で専門性を磨いたことで、自信をもって行動や発言ができるようになりました。

「文系なのに大学院に進んで何するの?」「学部卒でも就職できるでしょ?」と思う方もいると思いますが、学校や企業で働き始めると学習時間は思ったように確保できません。奨学金制度を活用すれば、経済的なサポートを受けることもできます。教職に限らず企業で働きたいと考えている方でも、専門性を磨きたいという意思や探求心があるなら、異文化コミュニケーション研究科で不安を自信に変えてください。
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