海外フィールドスタディ
現地を訪れ対話を通して見えた等身大のルワンダ
石川 奈実
品川エトワール女子高等学校(東京都)出身

私は高校時代にカナダ・バンクーバーヘ留学したことがあります 。そのとき、アフガニスタンやシリアからの難民の子たちと友達になりました。同年代の子が、生きるために生まれた国を去らなければいけない現実を知り、大きなショックを受け、それ以来、難民問題について何かできることはないかと考えていたので、海外フィールドスタディの実習先がルワンダと聞いて、即座に応募しました 。
1990 年代に紛争があったルワンダには、インフラなどもあまり整備されていない危険な国というイメージが強かったのですが、実際に訪れてみるとアフリカの中でも 発展著しい安全な国でした 。滞在中は水や電気が止まることはあリませんでしたし、何よりもシャワーでお湯が出ることに 驚きました。
ルワンダでは、農村部、NGO の運営する 小学校、難民キャンプなど、いろいろな場所に行き、現地の人たちといろいろな話をしました。対話を通して見えてきたことは、開発経済学の重要性です。建物が崩れかけ水道水が汚れている現地の小学校の運営は、お金がなくて修理ができないために、停止されていました。しかも、ルワンダ政府の援助がなく、NGOの力だけでお金を工面しなければいけない状況に追いこまれていました。これまで経済学を学んだことはありませんでしたが、帰国後、経済学の授業を受けるようにしました。
ジェノサイドによって多くの人が殺されてしまったことで世界的に名が知られてしまったルワンダですが、現地の人と話をすると「 統合と和解を含めてジェノサイドで あることを伝えて欲しい」と言われました。ジェノサイドの原因となった少数派への迫害は、植民地化によってつくられたものです。今ルワンダでは、ジェノサイドという悲しい出来事を乗り越え、国民全体が一つとなって新たな歩みを始めています。現地でその事実を知った者として、日本に戻ってからは、このことを多くの人たちに伝えていきたいと思っています。


海外フィールドスタディ
約2週間、海外のフィールドにグループで滞在し、異なる生活や文化、その国が抱える社会問題などを、体験を通して学びます。その国の人々との交流、対話、協働を通して、異文化コミュニケーション学部が目指す異文化社会におけるコミュニケーション能力を養います。