複数言語を用いて生活をする人は、どのように「ことば」を身につけ、使用しているのだろうか。社会言語学・応用言語学の観点から、これまで複数言語の中で育つ子どもを中心としたバイリンガリズムとバイリンガル教育に関わる研究および教育実践を行ってきた。バイリンガル・マルティリンガルを取り巻く個人の言語使用、社会における二言語併用、バイリンガル個人と家族・コミュニティ・社会の関係性、複数言語や異文化が交叉する中で起きるコミュニケーションをエスノグラフィーのアプローチからなど、社会の中の「ことば」の多様性を考察し続けている。英国・ランカスター大学(M.A.)、一橋大学大学院言語社会研究科(修士)、国際基督教大学大学院教育学研究科(Ph.D.)。「新宿区で学びマルティリンガルとなる子どもたち」(『「移民国家」日本と多文化共生論』2008)、共著‘Language Education Policy in Japan’(Encyclopedia of Language and Education (2nd edition), Volume 1. 2008)、共著「国際結婚家庭で母語を身につけるバイリンガル」(『多文化共生論』2013)、共訳『異文化コミュニケーションを問いなおす』(イングリッド・ピラー著、2014、創元社)他。
文化が異なる人同士の英語によるコミュニケーションを、会話分析とコミュニケーションの民族誌の枠組みで研究している。母語—非母語話者間の実際のやりとりを録音、書き起こし、分析することにより、そこで起こる誤解や修復などの現象の解明に取り組む。また,文化内で共有されたコミュニケーションに関するルールや意味を、当事者へのエスノグラフィック・インタビューを通して描く。会話内の細かいつまずきから関係を揺るがすほどの問題まで、当事者たちがどのように互いに調整し合うのかを考察している。専門は、会話分析、コミュニケーションの民族誌、異文化コミュニケーション。Ph.D. Department of Rhetoric & Communication, Temple University, USA. 論文: “Reinforced codes and boundaries: Japanese speakers’ remedial episode avoidance in problematic situations with ‘Americans’” (Research on Language and Social Interaction, 2008), “Apology and remedial episodes” (International Encyclopedia of Communication, 2008),「会話分析」(『コミュニケーション研究法』2011)他。